- 作成日 : 2024年7月26日
年収350万円の手取り額は?生活レベルはどれくらい?
年収350万円の手取り額はおよそ277万円、ひと月あたりの手取り額は約23万円となります。これは独身の場合ですが、結婚していたり子供がいる場合は税金が控除されやすくなります。この記事では、年収350万円の人の手取り額や税額、全体に占める割合や生活費について解説していきます。また、年収350万円の人が資産を増やす方法についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
年収350万円の人の手取り額
年収350万円の場合、具体的にどのくらいの手取り額になるのでしょうか。
独身の場合
年収350万円の独身の場合、所得税や住民税などの税金が引かれた後の手取り額は約277万円となります。また、ひと月あたりの手取り額は約23万円となります。
内訳をみると、所得税が約7.04万円、社会保険料(健康保険、厚生年金、介護保険)約52.6万円、住民税が約14.3万円となります。これらの税金や保険料を差し引いた後の金額が、年収350万円の単身者の手取り額となります。
これは、独身の場合ですが、結婚していたり子供がいる場合は、税金が控除されて安くなります。
夫婦(配偶者あり)の場合
夫婦2人で年収350万円で配偶者控除を受ける場合、手取り額は約282万円となります。また、ひと月あたりの手取り額は約23.6万円となります。
これは、所得税が約5.1万円、社会保険料が約52.6万円、住民税が約10.5万円となるためです。
配偶者がいる場合は、税金の控除が受けられる場合があるため、独身の場合と比べて税負担が軽減されます。そのため、同じ年収350万円でも、世帯の状況によって手取り額に差が出てくる可能性があります。
年収350万円の人の税額
年収350万円の人が支払う税金について詳しく見ていきましょう。所得税、住民税、社会保険料(健康保険、厚生年金、介護保険)を計算してみます。
- 所得税: 年収350万円の場合、所得税は約7.04万円となります。これは、所得税の課税対象額(年収から給与所得控除と社会保険料を引いた額)に対する税率5%が適用されます。
- 住民税: 年収350万円の場合、住民税は約14.3万円となります。これは、住民税の課税対象額(年収から給与所得控除と社会保険料を引いた額)に対する税率10%を適用し、さらに均等割5000円を加えた額です。
- 社会保険料: 年収350万円の場合、社会保険料は約52.6万円となります。これは、健康保険料が約17.9万円、厚生年金が約32.9万円、雇用保険料が約1.75万円となるためです。
- 介護保険: 介護保険は40歳以上の人が支払う必要があります。具体的な額は地域や年齢によりますが、一般的には年間約2〜5万円程度となります。
以上のように、年収350万円の独身者が支払う税金は、所得税と住民税で合わせて約21. 52万円、社会保険料で52.6万円、介護保険で2.8万円(40歳以上の場合)となります。
これらの額は、自身の年収と生活スタイルによって変動しますので、自身の状況に合わせて適切なライフプランを立てることが重要です。
年収350万円の人の割合
民間給与実態統計調査(2022年)によると給与階級別分布を見ると、年収300万円から400万円以下の給与所得者は全体の16.5%を占めています。以下のデータより、年収350万円の人は、全体の給与所得者の中で中間的な位置にいる割合が最も高いということが読み取れます。
給与 | 割合(%) |
---|---|
~100万円 | 7.8 |
100万円~200万円 | 12.7 |
200万円~300万円 | 14.1 |
300万円~400万円 | 16.5 |
400万円~500万円 | 15.3 |
500万円~600万円 | 10.9 |
600万円~700万円 | 6.9 |
700万円~800万円 | 4.8 |
800万円~900万円 | 3.3 |
900万円~1000万円 | 2.2 |
1000万円~1500万円 | 4 |
1500万円~2000万円 | 0.8 |
2000万円~2500万円 | 0.3 |
2500万円~ | 0.3 |
参考:令和4年分(2022年) 民間給与実態統計調査 第3表 給与階級別の総括表(1年を通じて勤務した給与所得者)|国税庁
年収350万円の人の生活費
年収350万円の人はどのくらいの生活費がかかるのでしょうか。一人暮らしの場合と、夫婦世帯の場合をそれぞれ見ていきましょう。
一人暮らしの場合
家計調査報告の調査結果をもとに、年収300~400万円の一人暮らしの平均的な生活費について見ていきます。年収350万円もその中に含まれますので、一つの目安にしてください。
以下のデータより、一人暮らしの年収350万円前後の生活費は、およそ月額18万円前後ということができるでしょう。
生活費の内訳では、食費(外食含む)が25.2%で最も高い割合を占めます。次いで、交通・通信費など、生活の基盤となる部分に多くの支出がいっていることがわかります。
【年収300~400万円の生活費】
生活費の内訳 | 月額 | 割合 |
---|---|---|
食費(外食含む) | 44,718円 | 25.2% |
住居※ | 27,219円 | 15.3% |
光熱・水道 | 13,374円 | 7.5% |
家具・家事用品 | 5,979円 | 3.4% |
被服及び履物 | 5,042円 | 2.8% |
保健医療 | 8,916円 | 5.0% |
交通・通信 | 23,783円 | 13.4% |
教育 | 8円 | 0.0% |
教養娯楽 | 20,912円 | 11.8% |
その他の消費支出 | 27,395円 | 15.4% |
合計 | 177,346円 | 100.0% |
※住宅ローンを除く
参考:家計調査報告(家計収支編) 年間収入階級別 5表|総務省
夫婦世帯の場合
家計調査報告の調査結果をもとに、年収300~400万円の夫婦世帯の平均的な生活費について見ていきます。年収350万円もその中に含まれますので、一つの目安にしてください。
以下のデータより、夫婦世帯の年収350万円前後の生活費は、およそ月額24万円前後ということがわかります。
生活費の内訳では、一人暮らしと比べ固定費の割合が高くなる傾向があります。例えば、食費(外食含む)が29.5%と最も高く、次いでその他の消費支出が18.6%となっています。
また、被服や家具・家事用品、教育費などの支出も一人暮らしより多くなっています。
つまり、一人暮らしと同じ年収でも、家族構成によって必要となる支出が大きく異なるということがわかります。
【年収350~400万円の生活費】
生活費の内訳 | 月額 | 割合 |
---|---|---|
食費(外食含む) | 72,696円 | 29.5% |
住居※ | 20,190円 | 8.2% |
光熱・水道 | 23,387円 | 9.5% |
家具・家事用品 | 9,489円 | 3.8% |
被服及び履物 | 6,001円 | 2.4% |
保健医療 | 13,673円 | 5.5% |
交通・通信 | 31,922円 | 12.9% |
教育 | 1,324円 | 0.5% |
教養娯楽 | 21,641円 | 10.0% |
その他の消費支出 | 45,944円 | 18.6% |
合計 | 246,267円 | 100.0% |
※住宅ローンを除く
参考:家計調査報告(家計収支編) 年間収入階級別 2-3表|総務省
年収350万円から資産を増やす方法
家計簿をつける
家計簿を記録することで、お金の使い道をしっかりと把握できるようになります。どの項目に多くの金額が費やされているのかが一目瞭然となり、無駄な支出を発見できるでしょう。さらに、家計の傾向を把握することで、無駄な出費を減らすことができます。
家計簿の管理には、スマートフォンやパソコンで手軽に家計簿をつけられるツールを利用することをおすすめします。
その中でも、マネーフォワード MEは、銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどの情報を一元管理できるサービスで、自動で収支を記録してくれます。また、グラフや表で視覚的に収支を確認できるため、自分のお金の流れを把握しやすいです。
お金の管理をしっかりと行うことで、着実な資産形成が可能になります。
固定費を見直す
固定費とは、毎月定期的に支払わなければならない費用のことで、主なものには光熱費、通信費、保険料などがあります。これらの固定費は生活に必要不可欠なものですが、見直しをすることで無駄な支出を削減できる可能性があります。
昇進試験や資格取得に努める
昇進試験や資格取得に努めることで、キャリアアップや収入増加が期待できます。
一定の条件を満たせば管理職や役職への昇進が可能となる企業も多くなっています。これらの昇進試験に合格すれば、役職手当の支給や給与アップなど、収入の増加が期待できます。
そのためには、日頃の業務実績の向上とともに、昇進試験対策に力を入れることが重要です。まずは上司からのアドバイスを積極的に求め、自社の昇進基準を理解することから始めましょう。その上で、社内の研修制度を活用したり、自主的に勉強会に参加したりするなど、自己研鑽に努めることが欠かせません。
また、資格取得にも注力することをおすすめします。企業にとって適切な資格を取得することで、昇進や給与アップのチャンスが広がります。
転職を検討する
適切な転職を行えば、年収アップが期待できるでしょう。同じ年収350万円でも、企業や業界、職種によって大きな給与格差があるのが実情です。
ただし、転職にはリスクも伴うため、慎重に検討する必要があります。まずは自身のキャリアや強みを客観的に評価し、どのような企業や職種に適性があるかを見極めましょう。その上で、求人情報の収集や面接対策に取り組み、最適な転職先を見つけ出すことが重要です。
また、転職の際は、単に高い年収を求めるだけでなく、福利厚生やワークライフバランスなども考慮する必要があります。長期的に見て、自身に合った環境で働くことができるかどうかを見極めることが成功への鍵となります。
副業を始める
副業を始めて本業以外の収入源を増やします。
副業を選ぶ際のポイントは、自身の得意分野や興味関心に合致したものを選ぶことです。例えば、以下のような副業が考えられます。
- IT系の在宅ワーク(プログラミング、Webデザインなど)
- 専門スキルを活かしたコンサルティング
- 不動産投資やネット販売などのビジネス
- 趣味を活かしたクリエイティブ系の仕事
- ライティングやDTPなどのクラウドソーシング
ただし、副業を行う際は、本業に支障をきたさないよう、業務時間や業務量に十分注意を払う必要があります。就業時間外や休日を活用して副業に取り組むなど、効率的な時間管理が欠かせません。
また、収支管理にも気を配り、無理のない範囲で副業に取り組むことが大切です。無理のない範囲で続けることで、年収350万円の人でも着実に資産形成を進められるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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